実施するのは派遣元？派遣先？

働く人の心の健康を守るため、国は従業員を50人以上いる企業に対して年に1回のストレスチェックを義務付けています。
ストレスチェックは、従業員に対して57項目のチェックリストでストレスの状態を調べ、必要に応じて医師が面接し、心の病を未然に防ごうというものです。
ストレスチェックができた背景には、過労やパワハラが原因の精神疾患での労災が増えていることがあげられます。

ストレスチェックは正社員だけのものではありません。
派遣社員もストレスチェックの対象となります。
派遣社員の場合は、基本的に派遣元の会社が実施します。

ストレスチェックの手順として、調査票の配布と記入、評価と面接が必要か否かの判断は派遣元の会社が行います。
派遣社員のもとへ、チェックの結果を通知するのも派遣元です。

派遣先の企業は関係ないというわけではありません。
派遣元が個人に対応しているのに対し、派遣先は集団に対して対応しています。

調査結果を集計して分析し、職場の環境を改善するのは派遣先です。
派遣元は、ストレスの度合いを測ることはできても、職場環境を変えることはできないからです。
いくら従業員がストレスを抱えていると判断されても、職場環境や待遇が変わらず、パワハラがあたりまえになっていたり、あるいは長時間残業や休日出勤があたりまえになっている職場では改善できません。

このように、派遣社員のストレスチェックは派遣元、派遣先の両方が一致して取り組むべきものです。